「半端なプレーヤーほど自分のスイングを語りたがる」
戸田はショットの確かさでは歴代日本プロゴルファーでも1、2位を争うほどである。
右腕を重視しており、とくにパワーショットは抜群であったろう。
それもうなずけるのが練習量だ。
本当は猛練習したはずなのに、若いときはなるたけ人目のつかないところで練習したし、「鬼才」と名声を得てからは、人々が寝静まった深夜にクラブを振っていたとゆう。
80年代の当時、九州の若鷹と呼ばれ、修行時代、高松で鈴木則夫がパッティングでの教えを乞うたときに、
「ラインはグリーンにあがった第一印象で見るもんや。(グリーンにあがってからは)コマネズミみたいにウロウロすな!自信がないやつほど動きまわったり、自分のことをべらべらしゃべくったりするもんや!」
と話したそうだ
戸田藤一郎
1914〜1984年。
10歳から甲南GCのキャデイとして働きながら、見よう見真似でゴルフを覚える。
廣野GCが創立されるとそこへ移る。
18歳でプロの資格を得ると19歳で初優勝。
35年渡米、全米オープンに出場。
W・ヘーゲンの回顧録に、日本からきた6人のなかで素質抜群、外国勢のなかでも最極上と記されている。
39年日本オープン、日本プロ、関西オープン、関西プロを獲り、同年グランドスラムを達成。
圧巻だったのは63年の日本オープン。
25年ぶりの2勝目だった。
71年57歳で関西オープン7回目の優勝。
38年の長きにわたって第一線にいたことになる。
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デビッド・ロイド・ジョージ
「私の最も尊敬するゴルファーはエジプトのスフィンクスである。2000年もバンカーにいながら泣き言一つ言わない」
歴史的評価は定まっていないようだが、ユーモアに富んだジョークは一流と評価されている。
英国でも最も有名なもう一人のゴルフ好きの宰相、ウィンストン・チャーチルはナチスドイツの野望を砕き、故国を救った英雄としていまも崇拝されているが、「ゴルフが道連れの人生は決して退屈することがない」とゴルフ礼賛している。
また「コースでモタモタするやつは、何をやっても失敗する」とスロープレーヤーをなじってもいるが、皮肉と気のきいた冗談にかけてはロイド・ジョージのほうがおもしろい。
チャーチルはノーベル文学賞もとっていて文言の扱いには長けていたはずがジョークのセンスはデビッドが上手のようだ
デイビッド・ロイド・ジョージ
1863〜1945年。
イギリスの第一次世界大戦の政治家。
困窮から大学ヘもいかず、弁護士で身をおこし下院議員から蔵相、ついには首相の座へのぼりつめた。
日本もモデルにした健康保険など、社会保障制度の礎を築いた。
反面、首相の地位を利用して財を成し、ヒトラーを評価し、巧みな弁舌で大衆を鼓舞して大戦を乗り切り、ポピュリストともいわれた。
一匹狼で女性関係も華やか。
ゴルフの腕前のほどはさして伝わっていないが、伯爵までなったのだから、相当コースにも出たのだろう。
ゴルフでのこの諧謔の言葉の見事さは、特異な人格形成をしたなかから生まれた、物事を鋭く分析する視点で生み出されたといえる。
トム・モリス
「届かなければ入らない」(never up never in)
あたりまえだが、パットでは「届かなければ、入らない」である。
真理としてどんなに素晴らしいいストロークをも、カップにとどいてくれなければ物理的に絶対にカップインしない。
ストロークが強すぎて、結果的にボールはカップを通りすぎても、少なくともカップまではとどいたのだから、入る可能性はあったということである。
だから強く打って失敗しても悔いは残らないが、入る確率ゼロパーセントのとどかないパットは一生悔やむことになることもあるのだ。
そんなことは自明であるが、いざその場合ではそうはいかないのが、人間である。
これは初の100を切るというケースのアベレージゴルファーでも、超一流のメジャーを争うゴルファーでも、感情的レベルでは同じなのである。
ネバーアップ! ネバーイン!
この単純な言葉のなかに、ゴルフの真髄が隠れている。
トム・モリスSr
1851〜1908。
1060年から始まった世界最古の競技である全英オープンで、67年までに4回勝っている。
それで68年から連続4連勝(71年は中止)したのは息子のトム・モリスJr。
つまりトム親子(オールド・トム、ヤング・トム)がゴルフ草創期を飾ったのである。
オールド・トムは最初、セントアンドリュースに、クラブとボールをつくる職人として働き、51年に新しく生まれたプレストウイックに移籍。
そこでヤング・トムが生まれ、全英オープンに出場。
61、62、64、67年と優勝。
その後、再びセントアンドリュースに専属プロゴルファー、グリーンキーパーとして迎えられる。
いまでもセントアンドリュース18番グリーンわきに、トム・モリスショップが現存している。